学習カード、ノートに何も書けない子

<学習カード・ノートに何も書けない子>

 学習カードまたはノートに授業の振り返りを記述する活動は、学年の実態に応じて取り入れられていると思います。
 その活動の中で、「何も書けない子」はいませんか?
 一言で「何も書けない子」といっても、いくつかパターンがあると思います。

1 「何を書けばよいのかわからない」
 何を書けばよいかわからない子は「そもそも課題が何だったのか」理解できていない可能性があります。教師が課題を共有したつもりでも、それが音声言語のみであった場合、視覚優位の子は”右から左へ聞き流している”かもしれません。
 スケッチブックに課題を書いて文章として見せる、学習カード形式の場合は課題を書き込む欄を設ける、など「課題を見える化」しておく工夫が必要です。実態によっては、文ではなく、図や絵による課題提示でもよいかもしれません。

2 「思いはあるが、どう文章にすればよいかわからない」
 課題については理解しており、自分なりの思いはもっているものの、それを文章として記述することが苦手な子もいます。
 その場合は穴埋め形式、あるいは選択肢の提示が効果的です。
 跳び箱の台上前転であれば、
 「〇〇さんのよいところは(     )です。」
 「〇〇さんのよいところは手のつく位置?目線?後頭部から着いている所?どれかな?」
 など、穴埋め形式、選択肢の提示をしながら、自らの考えを文章にする手助けをしていきます。
 その他にも、書き出しの言葉、あるいは文末の言葉を提示することで書き始められる子もいることでしょう。

3 「じっくり考えている」
 じっくり考えている様子が確認できた場合は「よく考えているね」と肯定的に声をかけ、休み時間あるいは家庭学習として取り組んでよいことを認めます。後から提出することについて「遅れてしまっている」のではなく、「じっくり考えてすごいね!」と価値づけてあげることが大切です。

 1~3以外にも「何も書けない子」の背景は色々あると思います。
 共通して言えることは「何も書けないのは、こちらの投げかけを工夫する必要があるからではないか?」と教師側が自問自答することです。。
 「早く書いて!」「ちゃんと考えてるの?」などと子どもを責めるのではなく、「どうすれば、思いを表現させてあげられるか」工夫・改善の視点をもって、子どもたちと接していきたいですね。

UD体育 ~ユニバーサルデザインの視点からの体育授業づくり~

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