9月15日(土)~16日(日)日本授業UD学会が開催されました。
1日目は「授業プレゼンテーション」として、UD体育副代表の石坂が発表しました。
テーマは「ボール運動における‘’共通の学び‘’と”共通言語”」。
ボール運動は、現行の指導要領から「ゴール型」、「ネット型」、「ベースボール型」といった「型ごとに共通する内容」を指導するようになっていますね。新指導要領でも基本的に踏襲されています。
一方で、「ボール運動」としてとらえたときに、この3つの型に共通する学習内容があるかもしれません。
今回は、まずベースボール型として、低学年でもできる「投げ飛ばしゲーム」から実技を交えて開始しました。ここで、「一列にまっすぐ並んでボールを運ぶ」ことの良さに気づきます。
次に、「ゴール型3対0」です。守備者を置かず、3人でボールを繋ぎ、バスケットゴールのボードに当てます。30秒で何回当てられるかを競います。ここでも、「まっすぐ並ぶと速い」という、ベースボール型の学びが生きます。ただし、守備が入るとそれが難しくなり、はじめて「前後左右」を意識する必要性が出てきます。
最後に「ネット型3対0」。3人でボールを繋いで、守備のいない相手コートに、30秒で何回落とせるかを競います。ここでは「ネット際まで運ぶ」という効率的なボールの繋ぎに気づきます。また、守備が入ったときには「手前、奥、左右のどこを狙うか」という、他の型に通ずる内容も出てきます。
「ボールを正確に素早く目的地に運ぶ」という各型に共通する学びがあり、「まっすぐ」「前後左右」といった共通言語があることで、ボール運動が苦手な子にとっても「わかった」「できた」を保証しやすくなるのではないか、という提案でした。
2日目は、筑波大学附属小学校の清水由先生が、UDの視点から、1年生の授業を公開されました。
1時間の中で「じゃんけん対抗戦」「折り返しの運動」「頭つき逆立ち」と3つの教材をテンポよく学習していきます。
「じゃんけん対抗戦」「折り返しの運動」では、1年生ということもあり、基礎感覚づくりに焦点を当てていました。子どもたちも先生も、みんな笑顔で楽しく基礎感覚づくりに熱中していました。
「頭つき逆立ち」では、1年生なりの「深い学び」を狙っていました。ここで清水先生が提案されたのが「課題並列単元」という授業づくりの視点です。子どもたちの問題意識に沿って、その都度課題を設定・解決していきます。本時では、「勢いをつけて足を壁につける」「手と頭でしっかり三角形をつくる」ことを、先生と子どもたちで話し合いながら課題として設定していました。
授業の終わりに、子どもたちが感想を発表していましたが、1年生なりに課題を意識し、課題に沿った感想を述べていたのが大変印象的でした。
協議会では、パネラーである元明治学院大学の出井先生より、本時のデータが提示され、マネジメントにかける時間が少なく、学習指導場面、運動学習場面の時間が十分に確保され、認知的学習時間も必要十分であったことが指摘されました。1年生段階として、感覚づくりを潤沢に経験させた上で、1年生なりの知識・技能で「深い学び」に迫ることが可能であることが示唆されました。
今回の学びを、10月20日の研究大会に繋げていきたいと考えています。是非、ご参加ください!
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