UD体育

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学会ML『できた!』から『できそう!!』へ

日本授業UD学会では、正会員用メールマガジンで『Happy Friday News』と題し、先生方の心温まるエピソードを紹介しています。10月にUD体育事務局の山下敦先生のエピソードが配信されましたので、ご紹介します。********************以前に担任した6年生の女の子のことです。彼女はどこか自信がなさそうで何かにつけて「えー、無理。」と口癖のように言う子でした。授業中の課題や、宿題などにも消極的で「できない」「わかんない」とすぐあきらめ、避けてしまいがちでした。体育の跳び箱の授業中のことでした。彼女は開脚跳びが跳べず、いつものように「えー、無理」「できない」が始まっていました。そこで私は彼女の側へ行き、補助のやり方を説明して一緒にやろうと声をかけました。ところが、返ってきた答えは「えー、無理!」の一点張り。私は戸惑ってしまいましたが、無理強いするわけにもいかず他の子の補助や指導にあたりました。そのうち、跳べなかった子が1人、また1人跳べるようになりいよいよ残ったのは彼女を含め数人となった時のことです。「先生、やっぱり補助してください。」と彼女の方から声をかけてきました。補助を数回繰り返し、ついに彼女も1人で開脚跳びが跳べたのです!私は思わず「やったー!!◯◯ちゃんが跳べたー!!」と叫ぶと、はにかむ彼女を中心に歓喜の輪が広がりました。その後も、跳ぶごとに上達し、まるで別人のように腰が高く上がった美しい跳躍になっていったのです。あまりに嬉しかったので、放課後に保護者に電話をかけ「初めて跳び箱が跳べて、クラスみんなで大喜びしました。お家でも、思いっきり褒めてあげてください!」と伝えると、「そういうことだったんですね。家に帰ってきたと思ったら急に自分から宿題をやり出したので驚いていたところです。後で思い切り褒めておきます。」と保護者の方も嬉しそうに話してくれました。次の日、彼女に宿題のことを尋ねると「跳び箱が跳べるようになったから宿題もできるんじゃないかと思って。」と笑顔で話してくれました。それから彼女は卒業まで、毎日欠かさず宿題を出し授業にも見違えるように積極的になりとびきりの笑顔で卒業していきました。ひとつの『できた!』が色々な『できそう!!』に変わった忘れられないエピソードです。それでは、この辺で。Happy Friday 

UD体育 オンライン学習会 プレオープン

2020年度がスタートし、1ヶ月半が経ちました。新型コロナ感染症拡大の影響で、全国各地の先生方におかれましては、先の見通せない、不安な状況でのスタートになっていることと思います。また、家庭で過ごす子供達、登校が始まった子供達も、今までとは違う日常の中で、様々な不安を抱えながら生活しているのではないかと思っております。新しい学びや生活の形に向け。子ども達の輝く笑顔、先生方の喜ぶ笑顔のために、本年度も、UD体育は、様々な発信をしていきたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。「体育=実技」のイメージが強い中、この度、UD体育はオンラインでの学習会をスタートさせます。「UD体育 オンライン学習会 プレオープン」と題し、「UD体育のよさって何?」「オンラインで、どんな学びを先生方と作っていけるか?」学びの可能性を、一緒に模索していく時間にしたいと考えています。見るだけ、聞くだけの参加も可能です。ご興味のある方のご参加、よろしくお願いします。事前受付のみの参加で行います。(どなたでもお申し込みいただけます。)お申し込みは以下のURLよりお願いします。↓https://www.kokuchpro.com/event/e3adf57d43957e4a3df7b76acef9d3dd/詳細は下記の通りです。【UD体育 オンライン学習会】 ・日時  令和2年5月24日(日)14:00〜14:45 ・テーマ 「UD体育 オンライン学習会 プレオープン」     ①UD体育のよさって何?     ②体育で困っていることありますか?     ③オンライン学習会にのぞむことは?・会場 zoom(オンライン)  【お申し込みについて】・申し込み必須、先着順、定員があります。・申込締切は開催4時間前、午前10時です。・申し込み時に携帯電話のアドレスを登録すると、 申し込み完了メールが届かないということが多々ございます。・携帯電話のアドレスを登録される方は、 事前に「 @kokuchpro.com」「@yahoo.co.jp」のアドレスが受信できる設定の上、 ご登録下さい。【オンライン学習会 受講にあたっての準備/環境】①オンラインで受講に必要なものをご準備ください。 パソコン(スマートフォン)とネット環境②推奨環境について ●インターネット環境 有線LAN または 無線 ●音声機器  音声機器が内蔵されていないPC等の場合は、  ヘッドセットまたはイヤホン【オンライン学習会 接続】・開始1時間前の13:00に、接続先のURLをご案内いたします。 メールでの連絡になりますので、ご確認ください。・ネット環境、zoomアプリのダウンロード等、 zoomへアクセスできる環境は、学習会前にご設定ください。・学習会当日は、開始30分前の13:30より学習会URLに入室いただけます。・オンライン環境によって、配信が途切れたりすることがあるようです。 こちらでは環境設定のお手伝い、改善は致しかねます。ご了承ください。 事前にオンライン環境を整えておいていただく、 zoomが初めての方は事前に接続を試していただくことをお勧めいたします。【zoom学習会 参加時のお願い】・学習会内容の撮影、録音は、著作権等の観点よりご遠慮ください。

なわとびが苦手な子

 公園でなわとびの練習をしている親子。微笑ましい光景ですが、真剣そのものです。 「こうやって跳ぶんだよ。見ててごらん!」と、手本を示す親御さん。 しかし、お子さんの方は、なかなかできるようになりません。親御さんもどう教えたら良いのか、途方に暮れている様子です。  なわとびは、手が下がった時にジャンプする等、手足の動きがずれるため想像以上に難しい運動です。動いている本人のイメージと実際の動きが合致していないことも。 <アプローチ1:まずはなわを回すことに焦点化する> なわとびは「回しながら跳ぶ」のが難しいのです。 そこで、まずは跳ばずになわを回すことに焦点化します。 両方のグリップを片手で持って、体の横で前回し、後ろ回し。この時、ひじが体についていると手首で回す感覚もつかめてきます。帽子を脇に挟むとイメージがつかみやすいです。反対の手でも同様です。 さらに、へその前で8の字回し、頭の上でヘリコプターみたいに回す…など、多様な回す動きに慣れさせていきます。低学年だと、これだけでもみんなでやると楽しめます。 <アプローチ2:なわを回しながら走る> 「回しながら跳ぶ」のは難しいのですが、「回しながら走る」はできる子が多いです。 動きとしては近いので、跳ぶより先に走らせて、手足を協調させる感覚を高めます。リレー形式にすると、得意な子も苦手な子も楽しめます。 <アプローチ3:エアなわとび> なわを持ってしまうと、なわに気を取られて手がどのように動くのかがわからなくなってしまう子がいます。例えば「あやとび」で「交差したつもり」になる等、イメージと動きがずれてしまいます。 そこで、なわを持たずに「エア(なわを持ったフリ)」でやってみます。 あやとびでは、手が下に来たときに、へその前で「×」になるようにすることが理解できます。難しいようであれば、教師が後ろから手を持って補助してあげます。 他の技でも、「エア」でやってみると動きがつかみやすくなることが多いです。  なわとびは手足の協調、動きのイメージやリズムをつかむ力を高めるのに最適な教材です。スモールステップで低学年から楽しく取り組むことで、感覚をつかませていきましょう。次回は長縄に入れず、泣いてしまう子です!

第7回学習会SPを行いました!

1月19日(日)、第7回学習会SPを行いました。1日かけての学習会です。日曜日ということでしたが、40名以上の方々にご参加いただきました。午前のプログラムは2本。1本目は厚木市立妻田小学校の山下先生によるマット運動の講座。全員笑顔のマット運動と題し、マット運動に必要な感覚づくりに焦点を当て、実技を交えながら分かりやすく解説していただきました。体育授業をUD化していく上での基礎的な考え方が、分かりやすかったのではないかと思います。2本目は、「お悩みQ&A!授業づくり」として、体つくり運動、器械運動、ボール運動のブースに分かれ、参加された皆様の普段の授業づくりにおける悩みを出し合っていただきました。初めての試みで、手探りで進めた部分が大きかったと思いますが、先生方の授業づくりにおける困り感の解消に一役立てていれば幸いです。午後はスペシャル企画。川上康則先生による講演でした。今回のテーマは「つまずきの理解と体育からのアプローチ」。特にソーシャルスキルに着目したお話をいただきました。体育授業は多くのソーシャルスキルが必要とされるし、育てることができる可能性ももっています。学級経営の視点、特別支援の視点等を合わせて、大変分かりやすく、多くの学びを得ることができました。1日盛りだくさんの会ではありましたが、ご参加いただいた皆様の充実した表情がとてもうれしく思いました。ぜひまたご参加いただければ幸いです。さて、次回は2月29日(土)「体育の陣」です。筑波大学附属小学校の清水先生による実技やUDメンバーによるミニ講座、公開授業に協議会とこちらも盛りだくさんの内容になっております。申し込みが始まっています。ぜひお誘いあわせの上、ご参加ください。お待ちしております。第5回日本授業UD学会埼玉支部大会「体育の陣4」申し込みはコチラhttps://www.kokuchpro.com/event/22c92617b7475f04b716b12f84579ff6/

第7回UD体育学習会SP!!

1月19日(日)は、学習会スペシャル!!ゲストに特別支援のスペシャリスト、川上康則先生をお招きします!テーマは「体育がつらい人大歓迎!お悩みQ&A!授業づくり」です。<午前の部>①マット運動のイロハ(仮)【実技】UD体育事務局の山下による講座。マット運動ってどう授業を進めるのがいい?という疑問に対して、校内研修で広めた実績を基にやさしくお伝えします。②お悩みQ&A!授業づくり毎度学習会で取り入れている「クラス会議」の形で、今度は体育に絞ったお悩み相談を行います。UD体育理事・事務局がコーディネートします。輪になって悩みをぶつけあいましょう! <午後の部>☆川上康則先生による講演「児童のつまずきの理解と体育からのアプローチ」特別支援教育のスペシャリスト、川上康則先生によるご講演です。運動が苦手な子をどのように見て、支援するかについて、貴重なお話をいただくことができます。 <日程> 9:30  受付開始(筑波大学附属小学校 第2体育室)10:00  講座・実技「マット運動のイロハ(仮)」(厚木市立妻田小学校・UD体育事務局 山下敦 先生)11:20 お悩みQ&A!授業づくり(体つくり運動・器械運動・ボール運動のいずれか)12:20 昼食休憩13:20 講演「児童のつまずきの理解と体育からのアプローチ ~ソーシャルスキルに着目して~」(東京都立矢口特別支援学校・川上康則 先生)15:10 グループトーク・川上先生へ質問16:00 閉会 今回も学びの多い会になるはずです。ぜひお誘いあわせの上、ご参加ください!!申し込みは https://www.kokuchpro.com/event/73e5584d8e276985816ba910e8d45716/(下の画像をクリックしていただいても申し込みページに移動します。)

UD体育×学級経営 学習会を行いました!

12月7日(土)、UD体育×学級経営 学習会を、東京学芸大学附属世田谷小学校にて行いました。非常に寒い朝でしたが、80名を超える方々にお集まりいただきました。午前の目玉は公開授業。世田谷小の早川先生による、1年生の授業でした。土曜日の授業ということで、大張り切りの子ども達。元気いっぱいに運動をしています。一生懸命活動しているがために、ちょっとしたトラブルも起きましたが、子ども達が上手に話し合って解決していました。また、運動のポイントを子ども達が考えだして課題を設定し、学びに向かっていくところも見事だったように思います。午後は研究協議。協議は前半と後半の2部制で行いました。前半は「全員が参加していたか?」という視点。後半は「子ども達はかかわり合っていたか?」という視点。フロアの方々にも意見を交換していただき、有意義な研究協議になりました。最後に、上越教育大学 赤坂真二教授による講演「体育授業は学級経営にどう影響するか」。学級集団の育成に体育が貢献できることはたくさんあることを、授業の振り返りや清水先生の書籍を引き合いに出しながら、大変熱く語っていただきました。初めての試みとなる学習会でしたが、学級経営という視点から体育を見つめなおす、体育の授業から学級経営を見る、といったことが1日を通して濃密に学べた会になったように思います。たくさんのご参加、ありがとうございました!!

集団に遅れてしまう子

「みんな集まってー!」(・・・一人だけ、遅れて集まる児童)「〇〇君はいつも遅いなぁ、前も同じこと言いましたよ!?」と、叱ってしまうことはありませんか?クラスにどうしても集団に遅れてしまう子はいませんか? 集団に遅れてしまう子は“怠慢”なのでしょうか。 「集まるってどこに?どうやって?」「どうしても、〇〇が気になって・・・」「えっ?先生、今、何か言った?」 と、もし本人が思っていたとしたら、冒頭の指導はその子を深く傷つけてしまいそうです。また、「どうせ、僕はダメなんだ。」と自己肯定感を下げ、活動への意欲そのものも低下させてしまうのではないでしょうか。 つまずきの原因は目の前の活動に固執してしまう、気持ちの切り換えが難しい、どのように動けばよいかわからない、など実に多様であると思います。 まずはその子が「集団に合わせて動くことができた!」「そして得をした!」という経験を積み重ねてあげたいと考えます。そして、その経験は教師の工夫1つで実現できるのではないでしょうか。 〈アプローチ1  集団に遅れてしまう子の近くで、集合をかける。>当然ですが、その子の近くで集合をかければ、その子が集団に遅れることはありません。さらにそこで、「〇〇君、早く集まってくれてありがとね!」とさりげなく声をかけることで、集団に早く集まることで得をした経験を積むことができます。どうしても、その子からは遠いところで集合をかけたい場合は、早めにその子を集合場所に誘導し(できれば教師と話しながら一緒に集合場所に迎えば、集合を促していることが周囲に悟られない)その子が集合場所付近に来てから「集合」と号令をかければ、同様に褒めるチャンスを作ることができます。 〈アプローチ2  集団に遅れてしまう子が同じ場所で活動できるようにする。〉例えば、ボール運動でリーグ戦などを行う場合、試合をするコートが毎回変わることは集団に遅れてしまう子にとっては混乱を生みます。チーム編成をした後、その子を1班と決め、「1班は常にAコート」と決めてしまえば、その子は毎回同じコートで試合をすることができます。他にも器械運動を行う場所にガムテープを貼って目印をつけ、活動の場所を固定化するなどの工夫で集団に合わせての行動が少しずつできるようになっていきます。 〈アプローチ3  集団に遅れてしまう子のペアを固定し、真似できるようにする。〉授業の中で活用するペア活動の相手を固定化し、「その子の真似をしてみて!」と声をかけることで、集団に合わせて活動できることがあります。 集団に遅れてしまう子に対して厳しい指導を重ねていると、周囲の子どもたちが「また、あの子が怒られている。」「あの子はできない子なんだ。」と認識し初め、クラスの雰囲気が崩れてしまうことがあります。教師の工夫で気になるあの子をさりげなく支援し、温かいクラスの雰囲気作りに努めたいですね。  次回は「縄跳びが苦手な子」です。

「ネット型で、どこに動けばよいのかわからない子」

ネット型で… 「〇〇さん、セッターのところに動いて!」 「…。」 と、どこに動けばいいか分からず困ってしまう子は少なくないと思います。 その子は、おそらく「セッターのところ」や「パスができるところ」のイメージが 持てていないのではないかと考えます。 また、要求している子とのイメージのズレも予想されます。 〈アプローチ1〉 いて欲しい位置にマーカーなどを置く セッターの位置になる場所やゲーム中にいてほしい場所にマーカーを置きます。 そうすることで、「青のマークに動いて!」「黄色のほうに行って!」などと、 子どもの言葉がけがより具体的になり、どの子にも理解しやすくなります。 〈アプローチ2〉 場面を分けたゲームをし、具体的な言葉で共有する 攻守がすぐに切り替わるゲームで、その場の状況に応じて 適切な位置に移動することは簡単ではありません。 そこで、メインのゲームに入る前に、ネット型ならトスからアタックをするゲームをします。 ここでポイントになるのは、学習したことを言葉でまとめ共有することです。 トスは、ネットの近くがいいか離れたところがいいかを投げかけ、 アタックのゲームをします。そして子どもたちに聞きながら、 「ネットの近く」という言葉を共有していきます。 そうすることで、「ネットの近くに動いて!」という明確なアドバイスが生まれ、 それを言われた子とのイメージのズレも軽減できます。 次回は、「どうしても集団に遅れてしまう子」です。

後転がうまくできない子

器械運動をしていると・・・「先生、前転はできるのに後転はできない」回るときに回転できず、「首が痛い」といったことはないでしょうか? 後転は前転と違い、後ろに回転します。そこには、後ろに回転する恐怖心や回転する感覚、腕で体を支持する感覚などの獲得の難しさが関わっています。 〈アプローチ1〉 恐怖心の軽減後ろに回転することは、マットが見えず、恐怖心を感じることがあります。まずはその恐怖心を取り除く必要があります①柔らかい道具 マットはできる限り柔らかいものを使い、倒れても子どもが「痛くない。」と思えることが大事です。器械運動は「痛い」と思ってしまうと、苦手意識につながります。 〈アプローチ2〉後ろに転がる基礎感覚後転がうまくいかない原因は、いくつかありますが、腰の位置を高くすることや、回転する感覚を獲得することで改善できます。①ゆりかご→背倒立前後にゆりかごのように揺れます。慣れてきたら、後ろに揺れたときに、腰を高く上げて背倒立をします。後転では、回っているときに腰の位置を高くすることで回りやすくなります。補助をするときも、無理やり回すのではなく、腰を持ち上げると効果的です。②手は耳の横 回転するときには、「親指を耳につけて、手のひらを天井にむけるようにする」ことが大切です。耳の横にすることでまっすぐに回ることができます。最初はゆりかごをしながら手をつくとわかりやすいです。 他にも、視線はへそをみる。などのポイントも大切になります。 次回は「どこにいけばよいのかわからない子」です

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