「みんな集まってー!」(・・・一人だけ、遅れて集まる児童)
「〇〇君はいつも遅いなぁ、前も同じこと言いましたよ!?」
と、叱ってしまうことはありませんか?
クラスにどうしても集団に遅れてしまう子はいませんか?
集団に遅れてしまう子は“怠慢”なのでしょうか。
「集まるってどこに?どうやって?」
「どうしても、〇〇が気になって・・・」
「えっ?先生、今、何か言った?」
と、もし本人が思っていたとしたら、冒頭の指導はその子を深く傷つけてしまいそうです。また、「どうせ、僕はダメなんだ。」と自己肯定感を下げ、活動への意欲そのものも低下させてしまうのではないでしょうか。
つまずきの原因は目の前の活動に固執してしまう、気持ちの切り換えが難しい、どのように動けばよいかわからない、など実に多様であると思います。
まずはその子が「集団に合わせて動くことができた!」「そして得をした!」という経験を積み重ねてあげたいと考えます。
そして、その経験は教師の工夫1つで実現できるのではないでしょうか。
〈アプローチ1 集団に遅れてしまう子の近くで、集合をかける。>
当然ですが、その子の近くで集合をかければ、その子が集団に遅れることはありません。さらにそこで、「〇〇君、早く集まってくれてありがとね!」とさりげなく声をかけることで、集団に早く集まることで得をした経験を積むことができます。
どうしても、その子からは遠いところで集合をかけたい場合は、早めにその子を集合場所に誘導し(できれば教師と話しながら一緒に集合場所に迎えば、集合を促していることが周囲に悟られない)その子が集合場所付近に来てから「集合」と号令をかければ、同様に褒めるチャンスを作ることができます。
〈アプローチ2 集団に遅れてしまう子が同じ場所で活動できるようにする。〉
例えば、ボール運動でリーグ戦などを行う場合、試合をするコートが毎回変わることは集団に遅れてしまう子にとっては混乱を生みます。チーム編成をした後、その子を1班と決め、「1班は常にAコート」と決めてしまえば、その子は毎回同じコートで試合をすることができます。
他にも器械運動を行う場所にガムテープを貼って目印をつけ、活動の場所を固定化するなどの工夫で集団に合わせての行動が少しずつできるようになっていきます。
〈アプローチ3 集団に遅れてしまう子のペアを固定し、真似できるようにする。〉
授業の中で活用するペア活動の相手を固定化し、「その子の真似をしてみて!」と声をかけることで、集団に合わせて活動できることがあります。
集団に遅れてしまう子に対して厳しい指導を重ねていると、周囲の子どもたちが「また、あの子が怒られている。」「あの子はできない子なんだ。」と認識し初め、クラスの雰囲気が崩れてしまうことがあります。
教師の工夫で気になるあの子をさりげなく支援し、温かいクラスの雰囲気作りに努めたいですね。
次回は「縄跳びが苦手な子」です。
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