表現運動の授業で「○○になりきってみよう!」と、子どもたちが楽しそうに活動する姿が見られる一方 で、端っこの方にむすっとした様子でたたずむ子。
「どうしたの」と声をかけると、「恥ずかしいし、どう やったらいいかわからないんだもん。」といった答え。
低学年の時は、楽しそうに踊ったり表現したりし ていたのに、成長するにつれ、やや気恥ずかしさが生まれてきたようです。自然なことなのかもしれませ んが、せっかくやるなら楽しんで参加してもらいたい!今回はそんな子に焦点を当ててみようと思います。
(1)楽しく温かい雰囲気を作ろう
1教師の声かけでやる気アップ
表現運動の最大の特性は「どうやっても失敗しない」ことだと思います。動いてみようとする様子を 見逃さず「いいね~」や「こうするとさらにいいんじゃない」というような肯定的な声かけを続けまし ょう。ほめられると嬉しいもので、「じゃあこうしてみようかな」と表現の幅が広がっていきます。「で きないこと」に目を向けるのではなく、「やってみようとする姿」や「少しできたこと」をいつもより 大げさに褒めてみることが大切です。
2ゲームにする
音楽や簡単なゲームを取り入れ、心と体をほぐす 初めは簡単なゲームから表現運動に入るのもよいでしょう。「だるまさんが~○○した!」というようなだるまさんゲームや、新聞になりきってみたり、対決の様子を表現してクイズにしてみたりすると 表現することへの抵抗感が減り、楽しいと感じるようになってきます。また、子どもたちが楽しめるよ うな音楽をどんどん流していきましょう。音楽を聴いて、心が弾めば、自然と体も弾んでいくでしょ う。簡単な工夫で子どもたちの笑顔をたくさん引き出していきましょう。
(2)具体的な言葉で動きのポイントを共有しよう
「表現の方法は多様で自由だ」という考えもありますが、もしかしたらその自由度に困惑してしまう子どもたちがいるかもしれません。授業では、表現の方法は多様ながらも、共通するねらいを分かりや すく設定していく必要があります。ポイントは「子ども同士でも確認できるようにする」ことです。「指先まで伸ばして~」や「おへその向きが変わるよう~」など、動きの変化がつけられるよう具体的に観察の視点を定めて、「どうすればよいか」がはっきりと子どもたちが分かるようにしましょう。時には 「フワッと」や「ササっと」などオノマトペを取り入れることで、様子がよく伝わるかもしれませんね。
表現運動は参加できるようになりさえすれば、誰もが失敗することなく、楽しく学習が進められます。また、子どもたちの普段の様子とは違った一面を発見できる良い機会にもなると考えています。教師が授業にちょっとしたアレンジを加えるだけで、苦手なあの子も積極的に参加するようになるでしょう。「笑顔」あふれる表現の授業づくりのヒントになればうれしいです。
0コメント