「なんでできんの?」「オレは無理!」 鉄棒で上手な友達の技を見ても、自分はできないと最初から諦めてしまう子いませんか?
鉄棒運動は、「できる・できないがはっきりしている」「痛い・怖い」といった要因で、苦手 な子が進んで取り組みにくい運動だと感じています。そんな苦手な子でも「できた」喜びを 味わってほしいと願って日々授業づくりを考えています。苦手な子でも、夢中で取り組める 鉄棒運動の授業にするために、こんな手立てを入れてみてはいかがでしょうか?
1基礎感覚づくりのゲーム化
鉄棒運動の技を身に付けるためには、「腕支持感覚」「逆さ感覚」「「回転感覚」「体幹の締め感覚」などの基礎感覚を高めていくことが必要です。苦手な子でも楽しみながらこれらの 基礎感覚を身に付けられるよう、「ジャンケン」や「リレー」などの要素を取り入れます。 ふとんほしジャンケンでは、ふとんほしの状態で隣の子とジャンケンします。勝った子は残り、負けた子は次の子と交代します。ジャンケンという要素を入れるだけで、子供たちは友 達と自然にかかわりながら夢中で取り組みます。継続して行うことで怖くて手が離せなか った子が、逆さの姿勢に慣れ基礎感覚が高まってくる様子が見られます。前回り下りリレー では、数人のチームを組んで行います。前回り下りを連続で3回行ったら、次の子と交代し ます。チームで行うため自然に応援し合う姿が見られるようになっていきます。
2良い例と悪い例を比べながら技のポイントを共有
授業のねらいを確認するとき、肘や背中、手首などの視点を与えてポイントを確認します。
後方片膝掛け回転では、「後ろに倒れるとき、肘は伸びている?曲がっている?」と発問し ます。そして上手な子が肘を伸ばしている良い例をみんなで確認します。その後、教師が肘 を曲げた悪い例を確認します。子供たちは、「肘が曲がると勢いが出ない」「上手な子は肘が 伸びていた」などと発言します。見る視点を与え、技のポイントを理解させて運動すること が子供たちの「できた」につながっていきます。
3補助で動きを体感
鉄棒のスモールステップの一つとして「補助でできる」があります。膝掛け振り上がりでは、「イーチ、ニー、サンッ」と口伴奏をしながら両サイドから肩と背中を支えます。後方 片膝掛け回転では、起き上がるときに両サイドから肩を支えて持ち上げます。最初は諦めて しまった子でも、補助でできたというステップを入れることで前向きに取り組むことがで きます。補助で技の動きを体感することで回る感覚を少しずつつかむことができます。補助 でできたら一人で、一人でできたら連続でというようにステップを示しておくことも大切 です。
このような手立てを入れることで、子供たちは友達とかかわりながら運動に取り組むよ うになりました。苦手な子ができるようになったとき、本人の喜ぶ姿だけでなく、友達が「先 生!○○君ができるようになったよ!」と喜ぶ姿が見られるようになりました。そんな姿を 増やすことが体育の重要な役割だと感じています。また、鉄棒運動は準備が必要ないため、 「できた」や「もう少しでできそう」などの気持ちを味わえると、休み時間にも熱中して取 り組むような子が出てきます。進んで運動に取り組む子が一人でも増えるよう、UD 体育で 一緒に勉強しませんか?
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